ぬいぐるみタレントのアルバイト

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私のアルバイト経験を語るには約35年前に遡ります。 当時は「an」の前身雑誌「日刊アルバイトニュース」なるものをCMで流し、その中で「犬洗い1匹/100円」から50種類のアルバイトをこなしている男を紹介していたので 「私もチャレンジしてみたい」と軽く気にしておりました。

結果、私も50種類のアルバイト経験をしたのですが、その中からのエピソードを紹介したいと思います。

ぬいぐるみタレント

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募集欄に「準タレント募集」を見つけた私は「アルバイトでタレントになれる」と思い心躍らせて、早速、履歴書持参で担当者とアポをとり、いざ面接へいきました。

詳しく話を聴くと「ぬいぐるみタレント」=「準タレント」と言われ、「君は格闘技は何か出来るのか?」「はい柔道・空手が出来ます」

「では、このアクションを覚えて」 では、「この様なアクションを覚えて」と戦隊物のビデオを鑑賞させられ「こんなのできるか!」と内心思いましたが、相手のペースで「朝の4時に新宿アルタ前に集合・運動着」と書かれた用紙を渡され、当日を迎えてしまいました。

少々、年上の方々と小型バスに乗り込み台本を手渡され、私は悪役の戦闘員役。ワンステージ¥4000時間は30分、「なんだ楽じゃん」と小躍りしながら目的の遊園地へ到着。

簡単なリハーサルが始まり、私は正義のヒーローを追い詰めるが、ヒーローの回し蹴りを受け、ステージから1回転して背中から落ちる役、ステージ下にはマットはあるが、意外と高く監督に「出来ません」と伝え監督から「わかった」と言って頂き安心していたのだが、本番では、私が追いかけるより先にヒーローが落下ポイント上へ行き私に「早く俺を追いかけろ」の指示が・・・。仕方なく、ヒーローを追いかけたが、「これはリハーサル通りの展開か?」「でも怖くて無理!」なのでヒーローのパンチや蹴りをかわしつつ時間だけが過ぎ、結果、ヒーローは私との演技を止めてしまい飛び落ちる掛け声をかける役に・・・「1・2・3!」長い滞空時間を感じながらステージから1回転して見事なアクション成功・・しかしストーリーが目茶苦茶になり監督」は激怒。

私は理不尽さを感じながらも休憩するために控えのテントへ。 その時に幸運が舞い降りました。遊園地の屋台の食べ物チケットを配布され、仲間で食べに行く予定が・・皆さんは着ぐるみの暑さでバッテバテ、私は元気! 子供の頃からの夢が「腹いっぱいフランクフルトを食べてみたい」叶いました。

他に「焼きそば腹いっぱい食べてみたい」これも叶いました。 そしてスタッフから「午後に、もうワンステージあるが出来る人は?」の問いに私は8000円になると思い挙手をしてステージ上へ行き、今度は楽な演技になり いざ支給時間になりキツイ現実に直面します。

「ワンステージ4000円ツーステージ目は+500円」総支給4500円・・・「なめるな」と思いながらもその後多数の遊園地やデパートの屋上をめぐることになりました。